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映像用電子技術の新たな地平へ
−マルチメディアの世紀を先駆けた男たち−

一つの話が舞い込むことで、電子ビューファインダーを取り巻く事態は一変することになる。家庭用ビデオカメラ市場を狙うビクターの戦略商品への採用が決まったのである。
この時、ビデオカメラ市場は、β陣営が打ち出した8mmビデオと、それに対抗するVHS−Cとの闘いに移ろうとしていた。VHS互換をコンセプトとして、市場制覇を狙うVHS−Cにとっては、とにかく限りなく小さく、軽くすることが至上命令。当時1.3kg程度だったビデオカメラを、わずか700g台で実現しようというのだから常識的なチャレンジで実現できるものではない。
外装設計を担当したのは内堀邦彦である。入社した翌日から「いきなり電子ビューファインダーの設計をやっていた」という内堀が、本格的に担当した初めての製品が、このビクターGRC7。「とにかく小さく、軽くですから、それはもう大プレッシャーでした。」
シチズンミヨタの0.6インチ電子ビューファインダーを搭載したビクターのビデオカメラGRC7は、発売と同時に、すさまじい売れ行きを示した。100万台をはるかに超えるビッグヒットとなったのである。だが、予想を超える売れ行きは、予想もしない問題を引き起こしていた。
ビクターからの要求数量と、自社の生産数量とのギャップが広がり、生産が追い付かないのである。月産数100台に過ぎなかったものが、たちまち月産数万台規模というのだから、設備投資で対処できる問題ではない。限られた設備の中で、すぐさま生産量を上げるには、効率を高め、歩留りを向上するしかない。
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